「カカオの雫のガナッシュは、
【ちょうどいい粘度】を作り出すのに苦戦しました。
粘度が低いと割れて中の生クリームが出てしまい、
逆に粘度が高すぎると型崩れを起こしてしまいます。
今まで作ったどんなチョコレートのレシピでも実現することができず、
独自の配合を作り上げるまでに何度も試作を重ねました。」

一言でいうと大変だった、と笑顔で語る池谷さん。
それでも初志貫徹で、
「3段階のおいしさが楽しめる」
「夏でもおいしく食べられるチョコレート」
にこだわって、開発を進めていたのだそう。

その後、カカオの雫はどうして完成できたのでしょう?

「カカオの雫は、人々とのご縁があってはじめて完成しました。
パティシエ修行していた頃に、
先生方に教わったレシピをひっぱり出しては、
アレンジしながらチョコレートを作りましたし、
このチョコレートに合う生クリームが
なかなか見つからず悩んでいたとき、
業者さんが『これはどうですか?』と
それまで知らなかった種類の生クリームを持ってきてくれました。
カカオの雫は、色んな方との出会いがあったから、
生まれたお菓子なんです」

開発が終わったら、それでおしまいではありません。
おいしいお菓子をたくさんの方に食べていただけるよう、
製造担当が量産テストを繰り返し、
営業担当が販売先を開拓していきました。
そうしていつの間にか春華堂の売れ筋商品になったカカオの雫が、
「我が子のようにかわいい!」と、池谷さんは顔を綻ばせます。

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